月のない夜

「ううん。それはあたしが勝手に…」

『ミサキは優し過ぎるよ』

「それはユウだって一緒」

『俺は違う。やさしくなんかない』

「ユウ…?」

『ミサキ、起こしてごめんな。また明日電話するよ。おやすみ…』


そうして、電話は一方的に切られてしまった。

シン…とした部屋の中、
響くのは秒針の音だけ

あたしの足の指先はすっかり冷たくなっていた。

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