義母ですが、若返って15歳から人生やり直したらなぜか溺愛されてます<第一部>
「良かったわね、お義姉様のように何のとりえもない社交界デビューすらできないような人でも嫁の貰い手がいて」
「戻って来るなよ!お義姉は伯爵家には必要ない人間なんだからなっ」
 好きで行き遅れたわけではない……というのは言い訳にしかならないのだろう。
 社交界デビューをするはずだった15歳で、私の運命は変わってしまったのだ。
 15歳の年に、5歳の義弟妹を残して義母が亡くなった。
 それからは義母の代わりに伯爵家の女主人の仕事を引き受け取り仕切ってきた。幼いのに母親を失ってしまった義弟妹を母親代わりに世話もした。
 あっという間に10年が経ち、気が付けば25歳で行き遅れとなっていたのよね……。
「かわいそうに、シャリアお嬢様。伯爵様も酷うございます。……親子ほど年の離れた人の後妻に差し出すなんて……」
 侍女のマリーだけが私が嫁ぐために馬車に乗り込むのを見送ってくれた。結婚式もあげず、ひっそりと嫁ぐ私が乗る馬車を。

 辺境伯家に到着すると、伯爵家の見送りとは打って変わって、使用人がずらりと並んで迎えてくれた。
「ようこそ……シャリア。このような姿で申し訳ないね……来てくれてありがとう」
 父よりも3つ年上の辺境伯様は、年齢よりも随分老けて見えた。半年ほど前から病に侵され体調がすぐれないと聞いている。
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