義母ですが、若返って15歳から人生やり直したらなぜか溺愛されてます<第一部>
 女性が嫁ぐのは、貴族だろうが庶民だろうが成人を迎える15歳から20歳のころだ。25歳を過ぎた私にはもう子供は望めないかもしれないと思っていたけれど……。二人の子供の母親として接することが許されるんだ。
「エリエッタ、よろしくね」
 すぐに跪いて両手を広げると、エリエッタが侍女の後ろから出てきて、私の両腕の中に飛び込んできた。
 ぎゅっと抱きしめて抱き上げる。
 ああ、何て可愛いのかしら。
「かぁたま」
 エリエッタの絹糸よりも柔らかくてつややかな髪の毛が頬をくすぐった。
「エリエッタ、お前ももう3歳なんだ。赤ちゃんみたいに抱っこされるなんてみっともない」
 侍女の後ろから、リードルが出てきた。
 エリエッタを片手で抱っこしたまま手を伸ばしてリードルも抱きしめる。
「いいえ。みっともなくなんてないわ。だって、私は大人になってからもずっと亡くなったお母様に抱きしめてもらいたかったのだもの……」
 リードルは一瞬体を固くしたものの、すぐに小さな手を伸ばして私の背中をきゅっと掴んだ。
 ううう、かわいい。義弟妹もこんなに可愛い頃があったのよね。

 それから、辺境伯様は私とは白い結婚のまま7年後に息を引き取りました。
 「息子と、娘を頼む……」と言い残して。義理の息子のリードル12歳。義理の娘のナイシャ10歳の時である。
 かわいそうに。実の母親についで父親まで亡くしてしまった……。
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