義母ですが、若返って15歳から人生やり直したらなぜか溺愛されてます<第一部>
 二人をより一層可愛がって3年が経ちました。
「リードル、お誕生日おめでとう。15歳……成人し、辺境伯家を正式に継ぐことになりましたね。立派になって」
「お義母様、ありがとうございます」
 成人したというのに、リードルの顔はすぐれない。
「お兄様、あれはどうするの?あれよ。お父様に言われているでしょう?」
 エリエッタがリードルに何かささやいている。
 あれ?お父様から何を言われているのでしょう?
 リードルが不安げな顔を私に向けている。……もしかして領地運営のことに不安を持っている?お前がちゃんとしなさいとか何か言われているのかしら?
 両手を伸ばして、リードルをいつものように抱きしめた。
「大丈夫ですよ。すぐにすべてを一人で行いなさいなんて言いません。リードルは学園へ入学して3年間学ぶことになります。その間領地運営は今まで通り執事のセバスと私、それに領地運営代理人のカボリアが手を貸しますから。そんな不安そうな顔をしないで」
 リードルの顔を覗き込むと、泣きそうな顔をして顔を伏せた。
「お義母様……ごめんなさい……僕にはまだ……お義母様が必要なのです……」
 まぁ。なんて可愛いことを言うの!
「ありがとう」
 嬉しくなってもう一度ぎゅっと抱きしめると、エリエッタが声を上げた。
「リードルお兄様っ」
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