義母ですが、若返って15歳から人生やり直したらなぜか溺愛されてます<第一部>
「仕方ありませんわお義母様。王都とここを往復するのに一月かかりますもの」
「そうね……」
 分かっているんだけれど。遠い上に、仕事も忙しい……。可愛い義息子の顔が見たいと思うのは義母の我儘だって。
 3歳だった可愛い私の義娘エリエッタも、もう15歳。成人だ。
 ……私の子育てもお役御免……よね。
 王都の学園へ入学すれば、エリエッタもリードルと同じように辺境伯領にめったには帰って来なくなって、親離れして……。
 義弟妹が15歳になった時の言葉を思い出す。……もういらないと、私は伯爵家を追い出された。
 大丈夫。二人の邪魔になるくらいなら、出て行く覚悟もあるわ。幸い、夫だった前辺境伯に贅沢しなければ残りの人生を生きていくだけの財産をいただいているもの。
 ……でも……。
「寂しくなるわね……」
 本音が漏れる。義弟妹と離れる時も寂しかったけれど……すぐにエリエッタとリードルが私の慰めになった。
 出来れば、エリエッタとリードルの子供のお世話の手伝いもしたい……義孫の顔を拝みたい……なんて、贅沢な望みなのかしらね。
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