偽りの恋人と生贄の三日間
カードで勝ったときのお願い
「でもリコは主だから……主と好き合うなんて本当は」
手を伸ばして、キトエの頬に触れた。驚いて振り向かれる。
「キトエが今もわたしを主と思ってても、そうじゃなくても、どっちでもいいんだよ。もう自由なんだから。今ここにいるのは、家柄も、身分も、立場も関係ない、ひとりの人同士なんだから。この先ずっと逃げ続けないといけないかもしれない。けど、もう何にも縛られてない。自由だよ」
不意に視界に差しこんだ光に目を細める。横を向くと、らせんの岩山のはるかな地平から日が昇っていた。夜が明けたのだ。空の青が柔らかな橙色に温められていく。
いきなり抱きしめられて、驚いて変な声をあげてしまった。
「何? どうしたの?」
「俺にとってリコはこれからもずっと主だ。でも、主でも、恋人として、好きでいていいか?」
仰いだキトエは必死な顔をしていて、朝日のせいかもしれないが、目元が綺麗に色付いていた。
「いいよ。というか、好きでいてくれなきゃ嫌だよ。恋人同士ですること全部すっ飛ばしちゃったから、これからゆっくり恋人らしいこと、たくさんしようね」
手を伸ばして、キトエの頬に触れた。驚いて振り向かれる。
「キトエが今もわたしを主と思ってても、そうじゃなくても、どっちでもいいんだよ。もう自由なんだから。今ここにいるのは、家柄も、身分も、立場も関係ない、ひとりの人同士なんだから。この先ずっと逃げ続けないといけないかもしれない。けど、もう何にも縛られてない。自由だよ」
不意に視界に差しこんだ光に目を細める。横を向くと、らせんの岩山のはるかな地平から日が昇っていた。夜が明けたのだ。空の青が柔らかな橙色に温められていく。
いきなり抱きしめられて、驚いて変な声をあげてしまった。
「何? どうしたの?」
「俺にとってリコはこれからもずっと主だ。でも、主でも、恋人として、好きでいていいか?」
仰いだキトエは必死な顔をしていて、朝日のせいかもしれないが、目元が綺麗に色付いていた。
「いいよ。というか、好きでいてくれなきゃ嫌だよ。恋人同士ですること全部すっ飛ばしちゃったから、これからゆっくり恋人らしいこと、たくさんしようね」