斉藤くんが、冷たくなった。
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斉藤くんと真紀が別れたという噂は、瞬く間に学校中に広まった。
その反応は様々で、ふたりに憧れていた人たちは自分のことのようにショックを受けていたり。
はたまた斉藤くんファンの人は喜び、真紀のことを狙っていた男子は目をギラつかせたりしている。
そんな中でみんなの関心は〝なんで別れたのか〟に集中していた。
斉藤くんは真紀の浮気疑惑を言いふらしたりはしてなくて、真紀も友達にはすれ違いだと説明していた。
なんにせよ、私の心もこれで軽くなった。
その喜びを隠すことなく、斉藤くんに声をかけた。
だけど、私の顔を見るなり彼は素っ気ない態度をして、どこかに行ってしまった。
ん? あれ?
めげずに何回も斉藤くんに話しかけたけれど、彼は私のことをあからさまに避けていた。
なんで斉藤くんに冷たくされてるのか意味がわからなくて、私は彼のことを捕まえた。
「……ねえ、私、なにかしたかな?」
すると、斉藤くんは言いづらそうに口を開いた。