斉藤くんが、冷たくなった。
2
私と真紀が知り合ったのは、高校に入学してからだ。
仲よくなったキッカケは席が近かったというありきたりな理由だったけれど、優しくて可愛い真紀のことを私はすぐに大好きになった。
そんな真紀との交流は、必然的に斉藤くんとの出会いでもあった。
私が真紀と仲よくなっていくのに合わせて、斉藤くんとも友達になった。
だからこそ彼は、他の人には言いづらい相談を私にしてくれたんだと思う。
「実和子、体育館いこ?」
休み時間になると、真紀は私の席に来てくれる。人懐っこい性格も相まって真紀からのスキンシップも多めで、私の腕に手を絡ませてくるのはいつものことだ。
「いいけど、体育館になにしにいくの?」
「ふふふ」
不敵に笑う彼女に付いていくように、体育館へと向かった。