「俺と噓結婚して欲しいんだ」「みんなを騙すってことですか!?」



「俺はそんな奴、絶対に認めないからな! 援交女! 整形女! 性悪女! 言いふらしてやる!」

おぉっと、援交は初めて言われた。彼にとって、私の印象は 援交女! 整形女! 性悪女!
らしい。重要なトピックとして、しばらく町中の話題になるだろう。
私はどう言われようと一向にかまわないのだが、問題はどこまで町が、印象だけ自動クズ化していく私を受け止めきれるかだった。
 なんだか、世帯どころじゃない。
最終的に汚物のような存在=私、という印象に世界中が行き着いた場合、やっぱり焼かれるのかなぁ。それとも、海に鉛をつけて沈められるのかなぁ。
あまりいたくないといいんだけど。


弟さんが元気よく私を指さして、どこかに走っていく。
そっか、評判は既にみんなが用意していてくれてるんだ。
私はそれに合わせるだけでよかったのか。

「やっぱり、ほら、誰も、幸せになりませんよぉ? 私、援助交際もしていますし、全部汚いですから……ね? 嫌な評判になる前に」

「よろしいでしょうかー!」
遠くから様子を窺っていたじいやさんがやってくる。
「お風呂の用意が出来たので、中へー!」
「服を渡されるのかと思ったら、な、中!?」
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