「俺と噓結婚して欲しいんだ」「みんなを騙すってことですか!?」
そして、長い廊下を暫く歩いた後、扉の前まで来ました。
「ここが、大黒柱の部屋だ」
畔沼さんがノックをします。大黒柱に部屋なんてあるのか。
「失礼します」
畔沼さんがドアノブに手をかけます。
すると、突然、
「駄目だよぉ」
背後からの声。
振り返ると、そこに、くまさんが居ました。
「うわああああっ!!」
畔沼さんが驚き、尻もちをつきます。
「ど、どうして、貴方が……」
「だって、僕は、君たち二人にお願いされて、此処に来たんだもん」
「お、お願い?」
くまさんが笑顔で答えてくれました。
私は、畔沼さんの方に向き直ります。
「ねぇ、畔沼さん」
「なんだよっ」
「貴方の願いは?」
「……」