「俺と噓結婚して欲しいんだ」「みんなを騙すってことですか!?」
畔沼さんが私に駆け寄り、肩を掴みます。
そして、そのまま強引に振り向かせ、私の目を見て言いました。
「お前は、この家の事が好きか?」
「……わかりません」
畔沼さんが顔を歪めます。
私は、その表情の意味を汲み取ることはできません。
「わからないなら、一緒に考えようぜ」
「え……」
畔沼さんが、私を抱き寄せます。
そして、耳元で囁きました。
「俺は、お前が好きだ。だから、結婚してほしい」
えええええええええええええええええええええ!!!!!!???
畔沼さんは一体、何を見て、何処を見て、そういうのでしょう。
今日一日、ほとんど情けない失態以外見せていないような気がするのですが。
新手の結婚詐欺なのでしょうか。
もはや理解が追い付きません。
「あ、あわわ……」
「話しているうちにもう少し、一緒に居たいと思ったんだ。お前は、どうなんだ?」
なんでええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!