「俺と噓結婚して欲しいんだ」「みんなを騙すってことですか!?」
畔沼さんの顔が明るくなりました。
そして、強く抱きしめてきます。
「ああ、よかった! 俺を選んでくれて!!」
……本当に? こんなに喜んでくれるの? やっぱり、この人は、この家のことが好きなのではないだろうか。
そう思うほどに、彼は喜び、私を強く抱擁しました。
「じゃあ、行こうぜ」
畔沼さんが私から離れます。
「えっと、どこへ?」
「大黒柱のところだよ。あいつを説得すれば、きっと協力してくれるさ」
「はぁ……」
畔沼さんは嬉々として、私の手を引きました。
大黒柱がいるという部屋に向かいます。
「では、行きましょう」
畔沼さんに促され、部屋に入ります。