「俺と噓結婚して欲しいんだ」「みんなを騙すってことですか!?」
くまさんは、ひょこひょこと動きながら、メヌエラさんに手を振ります。
彼女はやれやれ、という目をしたまま、握手に応えていました。
「しかし、理解が出来ない」
握手をおえるとさっそく出回っている地域新聞などの束をどこからか出すと机に投げ、
彼女は毒づきます。
「これだけ、化け物、怪物、宇宙人、人の物を横取り、と散々記事は書いておいて、
それが自分の評価に返ってくるって発想は無いのかしら?
畔沼氏の体面としても『化け物好きの変人』になってしまうのはどうなのかと思うけど」
「さぁ? でもいつの間に、こんなものが……あまり良い評価を見かけませんね。やはり、珍しい生物が居たので遊んでいると言うような扱いなんでしょう。周囲にもそのように言っているのかもしれません」
メヌエラさんが、がっ、と両肩を掴み、揺さぶります。
「他人事ね!? あんたはそれでいいの!? そんな話が出来たって、付き合う人をそんな風にしてしまうヤバい奴ってことだよ!!?余計に奇人度が爆上がりじゃない!!!」