「俺と噓結婚して欲しいんだ」「みんなを騙すってことですか!?」
そう。
なんと、この国?には、本気で代理人が居ない。
今まで、あれをやりたいと思うと率先してやって、食べたいと思うと率先して食べて、
言いたいと思うと率先して自分の代理をしてくれる人。
昔居たところでは代理人のリンちゃん、と呼んで、画面越しの世界のように、代理を眺めて、行動した結果、に伴うリンちゃんを通してあらゆることをしていたのだけれど。
「と、とにかく、食べるとか、寝るとかしか、わからない……」
「まぁ、そう深く考えること無いわよ。当たって砕けろっていうし!」
落ち込みかけた私の肩を叩いてメヌエラさんが豪快に笑う。
おじさんもジョギングに戻っていった。
「そうよね!」