Re:スタート
第1章 絡み合わない想い。
【佳奈 Side】 これでよかったんだよね。
「他に好きな人ができたの」
「え……」
静まり返る部屋。
目の前には『信じられない』というように目を見開いている悠が立っている。
先ほどまで言い争っていたなんて信じられないほど、静かな空間。
聞えるのは、置時計の秒針の音と、悠が息をのんだ音。
「だから、私とは別れて」
テーブルを挟み、向かい合ったままの私と悠。
悠の瞳が揺れている。
じんわりと赤くなった目が切なくて、心が痛くなる。
ああ、だめだ。
私まで泣いてしまう。
私は悠の横をすり抜け、隣の部屋に行く。
お財布と携帯が入った鞄を持って、玄関へ向かう。
悠の足音が聞こえる。
玄関で履きつぶしたような靴を履いていると、背後に悠の気配を感じる。
「……本気なのかよ?」
「うん」
本気。
そう。
私はもう戻らないんだ。
悠のもとへは戻れないんだ。
だから最後に、これだけは最後に伝えたい。
「え……」
静まり返る部屋。
目の前には『信じられない』というように目を見開いている悠が立っている。
先ほどまで言い争っていたなんて信じられないほど、静かな空間。
聞えるのは、置時計の秒針の音と、悠が息をのんだ音。
「だから、私とは別れて」
テーブルを挟み、向かい合ったままの私と悠。
悠の瞳が揺れている。
じんわりと赤くなった目が切なくて、心が痛くなる。
ああ、だめだ。
私まで泣いてしまう。
私は悠の横をすり抜け、隣の部屋に行く。
お財布と携帯が入った鞄を持って、玄関へ向かう。
悠の足音が聞こえる。
玄関で履きつぶしたような靴を履いていると、背後に悠の気配を感じる。
「……本気なのかよ?」
「うん」
本気。
そう。
私はもう戻らないんだ。
悠のもとへは戻れないんだ。
だから最後に、これだけは最後に伝えたい。
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