Re:スタート
その日の夕方。
私は思い出に浸りたくなって、寄り道することにした。
行く先は、悠と出会ったあの公園。
今までずっと避けていた公園だったけど、今なら悠との思い出が詰まった公園でも苦しくならない気がする。
公園に悠がいないのは分かっている。
だけど、こんなかたちでしか『おめでとう』を言えないから。
残すことが出来ないから……。
私は公園に足を踏み入れた。
やっぱり公園には誰もいない。
私はあのベンチに向かって歩く。
私はベンチに座らず、地面に落ちていた木の枝を拾った。
しゃがんだ私は、木の枝で砂の地面に文字を書いていく。
『悠へ。オーディション合格、おめ』
そこまで書いた時だった。
「……佳奈?」
後から名前を呼ばれて固まる私。
優しさにあふれたこの声。
今日聞いたばかりのこの声。
忘れもしないこの声。
「佳奈、だよな?」
私はしゃがんだまま、ゆっくりと後ろを振り返る。
そこに立っていたのは間違いなく。
私は思い出に浸りたくなって、寄り道することにした。
行く先は、悠と出会ったあの公園。
今までずっと避けていた公園だったけど、今なら悠との思い出が詰まった公園でも苦しくならない気がする。
公園に悠がいないのは分かっている。
だけど、こんなかたちでしか『おめでとう』を言えないから。
残すことが出来ないから……。
私は公園に足を踏み入れた。
やっぱり公園には誰もいない。
私はあのベンチに向かって歩く。
私はベンチに座らず、地面に落ちていた木の枝を拾った。
しゃがんだ私は、木の枝で砂の地面に文字を書いていく。
『悠へ。オーディション合格、おめ』
そこまで書いた時だった。
「……佳奈?」
後から名前を呼ばれて固まる私。
優しさにあふれたこの声。
今日聞いたばかりのこの声。
忘れもしないこの声。
「佳奈、だよな?」
私はしゃがんだまま、ゆっくりと後ろを振り返る。
そこに立っていたのは間違いなく。