Re:スタート
「藤崎さんのデビューも、1週間後に迫りましたね」



先輩が資料を見つめながら呟く。

他の先輩たちも、私も静かに頷いた。


いよいよだ。

いよいよ、悠が公の場で歌声を披露するんだ。

今頃、悠はボイスレッスンを受けている時間かなぁ……、なんて思っていると。

会議室のドアを叩く音がした。

そして開かれるドア。

私たちが視線を向けた先には、坂本さんが腕を組んで立っていた。



「お疲れ様ですっ!」



私たちは、椅子から立ち上がって坂本さんに向き直る。



「お疲れ様。……プロジェクトは進んでいるかい?」



坂本さんの言葉に言葉を詰まらせる私たち。

だけど、いつまでも黙っているわけにもいかないので、先輩のひとりが頷いた。



「プロジェクトは進んでいます……」

「本当に?」

間髪入れない坂本さんの言葉。

坂本さんは私たちが悩んでいることはお見通しだったようだ。
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