Re:スタート
「時間はない。深山さんには、藤崎 悠の魅力を伝えられる“なにか”を明日までに見つけてきて欲しい」

「はいっ!」

「他のみんなは、ミスがないか最終チェックと、深山さんのサポートをしてくれ」

「かしこまりましたっ」



坂本さんの言葉に大きく頷く私たち。

会議室を出ていく坂本さんに続き、先輩たちも資料をまとめ終えると会議室を出ていく。



「私たちは、パソコンでチェックすることあるから。深山さんも根詰めすぎないようにね」



そう言って私の肩をぽんっと叩いてくれる。

優しい先輩たち。

私も資料をまとめて会議室を出る。

その間も考えていたのは、悠の魅力を最大限に伝える方法……。


全国ツアーとか?

でも、それをやるには、悠のレベルがその域に達していない。

そもそも、悠の魅力を一から考える必要があるかもしれない。

“藤崎 悠”を知らない人に、初見でも魅力が伝わる方法……。
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