Re:スタート
【悠Side】 あの日の約束。
デビューまで、残すはあと1週間。
無事にレコーディングが終わった今日、俺は仕事帰りの佳奈と公園で会っている。
どこか暗い表情の佳奈。
昼間もメッセージを送ってみたけど、仕事が行き詰っているって言っていたなぁ。
「どうした? 考え事?」
俺は直球で聞いた。
うつむき加減だった佳奈は、こちらに顔を向けた。
「まあね。明日までに考えなくちゃいけないことがあって」
俺は少し驚いた。
今までの佳奈だったら『大丈夫』とか『なんでもない』って、見え見えの嘘をついていたのに。
今日はやけに素直だった。
だから、俺も素直に向き合える。
「それってどんなこと?」
「んー。仕事の内容だから全ては話せないんだけど……」
「うん」
「悠はさ。歌手デビューして、なにがしたいの?」
佳奈の質問に俺は黙ってしまった。
歌手デビューしてなにがしたいか、かぁ……。
幼い頃は純粋に、テレビに出たいとか、たくさんの人に俺の歌を聴いてほしいっていう気持ちだったけど。
今は。
無事にレコーディングが終わった今日、俺は仕事帰りの佳奈と公園で会っている。
どこか暗い表情の佳奈。
昼間もメッセージを送ってみたけど、仕事が行き詰っているって言っていたなぁ。
「どうした? 考え事?」
俺は直球で聞いた。
うつむき加減だった佳奈は、こちらに顔を向けた。
「まあね。明日までに考えなくちゃいけないことがあって」
俺は少し驚いた。
今までの佳奈だったら『大丈夫』とか『なんでもない』って、見え見えの嘘をついていたのに。
今日はやけに素直だった。
だから、俺も素直に向き合える。
「それってどんなこと?」
「んー。仕事の内容だから全ては話せないんだけど……」
「うん」
「悠はさ。歌手デビューして、なにがしたいの?」
佳奈の質問に俺は黙ってしまった。
歌手デビューしてなにがしたいか、かぁ……。
幼い頃は純粋に、テレビに出たいとか、たくさんの人に俺の歌を聴いてほしいっていう気持ちだったけど。
今は。