Re:スタート
佳奈の想いがまっすぐに俺の心へ届く。

佳奈の話は分かった。

俺のことをよく見てくれていると思う。

俺も、やってみたいと思う。

だけど。



「それだけじゃ、この会社の業績に貢献できないんじゃ……」



今の自分が100パーセント売れる、なんて自信はない。

だけど、全国各地まわったところで、この会社に貢献できると思わない。

そんな俺に坂本さんは笑う。



「 “期待の新人”が何を言うかと思えば、そんなことかい」

「え?」

「君には期待しているんだ。小さな活動が積み重なれば、大きな活動になる。それは会社の売り上げも一緒だ。最初から莫大な売り上げなんて期待していないよ」



坂本さんは豪快に笑ったあと、真剣な面持ちで俺に言った。



「藤崎くんの心からやりたいと思った活動を、私たちは全力サポートする。それが私たちの仕事だ」

「……」

「藤崎くんは深山さんの提案をどう思う?」
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