Re:スタート
ひとりで使うには大きすぎるくらいのベッド。

夏にもかかわらず、佳奈と抱き着くように寝ている時間が幸せだったのに。

俺の腕の中にはもう、佳奈はいない……。


なんて、皮肉なものだ。

先ほどまで佳奈に対する怒りの感情で荒れていたのに、佳奈を思い出せば恋しく感じてしまうなんて……。

こんな自分が嫌になる。

だけど、それだけ佳奈を愛していたってことなんだよな。


佳奈の言葉を思い出す。



『次に悠が誰かを好きになったときは、その子とちゃんと向き合って』



佳奈以外の女の子を好きになるなんてありえないだろうな。

ましてや、佳奈以外の女の子と向き合うなんて無理だろうな。

だって、こんなにも佳奈のことを思い出しては、求めてしまう俺がいるのだから……。
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