Re:スタート
病室の窓から見えるのは真っ暗な空。

ときどき看護師さんが様子を見に来てくれるが、返事はまともにできない。

時間の経過は空の色を見て確認するしかない。

そろそろ、ライブ終わったかなぁ……。


そう思っていると、病室の扉が勢いよく開く。



「佳奈っ。ライブ、終わったよっ」



息を切らしている悠は、ライブが終わって急いで駆けつけてきてくれたことが分かる。


ちゃんと関係者に挨拶してきた?

お客さんとお話もしてきた?

だけど、そう聞く必要はなかった。

悠が全てこなしてきたのは、悠の表情を見て分かったから。

悠は中途半端に終わらせる人間じゃない。

やることは全てやって、私のもとへ来てくれたんだよね?

その証拠に、私たちの全ての荷物を病室に持ってきてくれているから……。



「体調はどう?」

「だいじょ、ぶ」



ベッドから体を起こそうとする私を止める悠。



「横になったままでいいから、坂本さんに電話をかけよう」

「う、ん」
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