Re:スタート
「佳奈。……おいで」



俺は涙でぐちゃぐちゃの顔になっている佳奈に手を差し出す。

佳奈は手の甲で一生懸命涙をぬぐいながら、俺の手を取る。

そして、ステージの上に佳奈を上らせる。

佳奈と向き合う俺。


ぽーっとした状態の佳奈の頭を撫でてから、俺はポケットから小さな箱を取り出した。

そして、佳奈の前に膝を立ててしゃがむ。

小さな箱のふたを開けて俺は、佳奈に想いを伝える。



「俺は一生をかけて佳奈のことを愛すると誓います。……俺と、結婚してください」



差し出すように佳奈に小さな箱を見せる。

その中には、ダイヤモンドが埋め込まれた指輪が輝いている。

俺の気持ちを受け取ってほしい。

佳奈をまっすぐに見つめる。

佳奈はぼろぼろと大粒の涙をこぼす。

その涙は止まることがなくて、声も出せないほど泣いている。

……佳奈らしいや。
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