Re:スタート
結局、私は返信することができなかった。

悠の本当の気持ちを知ることがどこか怖かった。

悠に『ちゃんと向き合って』とか言った自分が悠と向き合えてなかったかもしれないな……。


なんて、後悔しても遅い。

私は手の甲で涙を拭って立ち上がる。

キッチンの冷蔵庫を開け、食材があるか見る。


瑠奈は昔から料理が苦手だったから、案の定食材なんて入っていなかった。

お世話になっているんだし、夕飯くらい作ってあげたい。

私はメモ用紙に添えられていた合鍵を鞄に入れ、部屋を出た。


空はどんより曇り空。

まるで今の私の心を表しているかのようだ。


雨、降るかなぁ……。


そんなこと思いながら、私はスーパーへ向かった。

歩いていると、悠と初めて出逢った公園が目に入った。


思い出の場所。

だけど、今は公園の前を通りたくないな……。

きっと、悠を思い出して胸が痛くなってしまうと思うから。


私は公園の前を通らず、遠回りをしてスーパーへ向かった。

だけど、フラッシュバックするかのようにいろんなことを思い出してしまう。
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