Re:スタート
2人で暮らしていたアパートのドアに寄りかかる。

このドアを開ければ、悠はもう一度抱きしめてくれるのかな。


……無理だよね。

そんな妄想は虚しくなるだけだ。



空を見上げる。

すっかり暗くなった空。

闇夜に浮かぶ月。

こんな真夜中に行く宛もないけど、もう戻ることはできないから……。


私はアパートの階段を下りた。

階段を降り、2階にある部屋を見上げる。


さようなら。

悠……。
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