Re:スタート
第2章   あの日の想い。

【佳奈Side】 もう戻れないから。

瑠奈の家に居候を始めて10日。


いつまでもお世話になっているわけにもいかないし……。

でも、これからどうしよう。


そんなことを思いながら、夕飯を作って瑠奈の帰りを待つ。

今日の夕飯は鯖の味噌煮。

作り終ると時間をどうしても持て余してしまう。

それは悠と一緒に暮らしていた時も同じだった。


一日中仕事をしていた悠。

毎日ずっと、一人きりの部屋で時間が過ぎるのを待っていた。


寂しくなかったといえば嘘になる。

悠とデートらしいデートなんてしたことなかった。

仕事ばかりの悠だけど、あの夜だけは夜景を見せてくれたんだよね……。


私はソファに腰を下ろし携帯を開く。

携帯の写真フォルダに残っている悠との写真を見返す。

私は今も消せずにいる何十枚の写真の中から、悠に告白されたあの日の写真を眺めた。
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