Re:スタート
「私も悠さんが好き……っ。でもっ。私、仕事も出来ないし、迷惑ばかりかけちゃっているから、悠さんの彼女には相応しくないよ……」



仕事を探そうとするだけで手が震える私。

そんな頼りない私なんかが、悠さんの彼女になんてなれない。

迷惑ばかりかけて、悠さんに金銭的にも頼ってばかりで、それで彼女なんて……。

口にすればするほど、思えば思うほど、喜びと同時に自分の惨めさに泣けてくる。


ワンピースの裾をぎゅっと握る。

悠さんの冷えた手が私の頬に触れる。

うつむきかけていた私の顔を持ち上げてくれる。



「佳奈がいいんだよ。佳奈が隣で笑ってくれていることが一番の支えだから」

「悠さん……」

「だからもう一度伝えさせて。……俺と付き合ってください」



そんなこと言われたら、答えなんてひとつに決まっている。

悠さんは本当にずるい。

私の心を温かく包み込んでくれているようなそんな感覚になる。
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