Re:スタート
私はそっと悠の背中に手をまわす。

私だって悠のことを抱きしめたい。

彼女の特権。


……でも。

いつか、”彼女”じゃなくて、悠のお嫁さんとして、”家族”になる日が来ればいいな。



「悠。せっかくだから、写真撮りたいな」

「写真?」

「うん。付き合った日の記念!」



悠はそっと離れて、私の頭を撫でた。

ふはっ、と笑う悠に首をかしげる私。


変なこと言ったかな?

そう思っていると、悠は柔らかい笑顔を見せてくれる。



「佳奈らしいな」



なんて笑うから、私は照れて黙ってしまう。


……私らしい、か。


悠はいつだって“私”という人間を見ていてくれているよね。

そんな悠の言葉に胸が温かくなった。
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