掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
ああ……そうなんだ……。
もう拓郎には大切な人がいるんだ。
思いがけず立ち聞きしてしまった。
そして知った事実。
私が拓郎への想いを募らせていた間、拓郎はもう前へ進んでいたのだ。
元々、拓郎は私の事をただの幼馴染としてしか見ていなかったのだから、当然と言えば当然のこと。私を裏切った訳でもない。
ナツミさん……。
その人は咲希ちゃんの時とは違う。
きっと拓郎が本気で好きになった人だ。
「告白する前にダメになっちゃった……」
私は足音を出さず、朝倉の裏口に戻った。
寒さから来る震えだけじゃない。
込み上げてくる絶望感に押しつぶされそうになり、身体の震えが止まらなかった。
ダメだ。
ここで、家族のいる実家で泣くことは出来ない。
階段を静かに上がり、最低限の防寒ができる服に着替え、まだ眠る実家を後にした。
もう拓郎には大切な人がいるんだ。
思いがけず立ち聞きしてしまった。
そして知った事実。
私が拓郎への想いを募らせていた間、拓郎はもう前へ進んでいたのだ。
元々、拓郎は私の事をただの幼馴染としてしか見ていなかったのだから、当然と言えば当然のこと。私を裏切った訳でもない。
ナツミさん……。
その人は咲希ちゃんの時とは違う。
きっと拓郎が本気で好きになった人だ。
「告白する前にダメになっちゃった……」
私は足音を出さず、朝倉の裏口に戻った。
寒さから来る震えだけじゃない。
込み上げてくる絶望感に押しつぶされそうになり、身体の震えが止まらなかった。
ダメだ。
ここで、家族のいる実家で泣くことは出来ない。
階段を静かに上がり、最低限の防寒ができる服に着替え、まだ眠る実家を後にした。