掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
そう思って、ストップボタンを押した瞬間、メッセージを受信した。

開いてみると

《おはよう!
今日は拓郎の見送りに行く?》

「淳くん……早起きだな……」

私がいつもこの時間に起きることを知っているからだ。

この状態で見送りなんて行けるわけない。
もちろん行くつもりもないし……。

《行かない》

そうメッセージを返し、再びポケットに仕舞おうとしたら、着信の音楽が流れた。

『環? 起きてたんだ』

「……ん」

『……? どうした? なんかあった?』

「……なにも……」

そう言った時、電話の向こうから救急車の近づく音が聞こえてきた。

そして、私が居る公園のすぐ近くにも救急車の音が……。

『……環? お前今どこにいる?』

「……」

『外か? これ、同じ救急車の音だよな?』

「……」
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