掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「……こら、また泣くのか?
目が腫れて、ブサイクになるぞ」

「……ブサイクだもん。
地味だし、口悪いし、私なんて、」

「また! 『私なんて』って言うな!
何度も言ってるだろう?
環は地味じゃない。顔は綺麗だし、肌は透明感があるし、性格も可愛い。
誰よりも素敵な女性だよ」

「でも…………
私を好きになってくれる人なんていないよ…」

何を言ってるんだ?

「ここに居る。
俺は環の事が好きだよ?
ずっと昔から大好きだ。
大切に想ってるよ」

「淳くん……うん、うん……ありがと…」

これは全く伝わっていないな。
少しくらいならいいか?
俺は環の頭にそっとキスをした。
これくらいなら許されるだろう。

「ちゃんとここに環の事を好きな男が居るから安心しろ。もう寝…」

「でも、やっぱり私を欲しいとは思ってくれないよ」

「……?」

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