掴んだその手を離さないで！ 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜

すると、私の涙で淳之介が起きてしまった。

「……ん？……環？
え？ あ、ご、ごめんっ！」

「……っく」

「ごめんな！ 俺がもっと自制心持ってたら……環を傷つけることなかったのに」

「……」

「い、痛いか？ 体、辛いか？
あ、俺が離れたらいいんだな？
ご、ごめん！ あっちの部屋に行ってるから…」

「どうして淳くんが謝るの？
……私がワガママ言ったからこんなことになったのに。
ごめんね？……ごめん…」

「ちょっと待て。
自制心を保てなかったのは俺なんだぞ？ 環は何も悪くない。 全く悪くない。
だから頼む……泣かないでくれ…」

淳之介は優しすぎる。
私はこの優しさにつけ込んだのだ。