掴んだその手を離さないで！ 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜

お姉ちゃんは知っている

火曜日、仕事を終え自宅に帰ると、姉が帰っていた。

｢お姉ちゃん！ 帰ってたの？ ｣

｢環、おかえりなさい〜
京が出張だから帰ってきちゃった｣

姉は一昨年に結婚し、今は長谷川泉になっていた。

そして……。

｢きゃぁ〜！ 鈴〜また大きくなった？｣

｢うん、ちょっと見てて｣

姉は抱っこしていた女の子を、赤ちゃんマットの上に寝かせた。

すると、ころんと転がって、簡単に寝返りするではないか！

｢鈴っ！ 寝返り上手になった〜！ ｣

叔母馬鹿な私は拍手喝采だ。

そう、姉は4ヶ月前に珠のような女児を出産した。長谷川鈴(はせがわりん)ちゃんだ。

色白でココアブラウンの髪の鈴は長谷川家の血を濃く受け継いでいる。

でも、お顔は姉にそっくりの美人さんだ。

もう、可愛くて仕方ない！

こんな可愛い生き物がこの世に存在していいの!?
と思ってしまう。