掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「ねぇ……まだ淳くんが責任を感じていると思ってるの?」

「……」

「あのね、それ違うから。
あの子は昔から環しか見てないよ?」

「え?」

「淳之介は環しか見てない」

「……それは違うよ?
淳くんはずーっと美由紀のことを…」

「あのね、環だって幼馴染よね?
美由紀ちゃんだけが傍にいたわけじゃない。むしろ環の方が、一緒にいる時間長かったと思うんだけど?
はっきり聞いたの? 」

「何を?」

「淳くんが美由紀ちゃんを好きだって言ってたの?」

「……」

はっきり聞いたことは……ない?
でも…

「やっぱり、私じゃなかったと思うよ?」

そうじゃなかったら、高校の時、拓郎と上手くいくように応援してくれていたのが腑に落ちない。

「淳くんは優しいから……」

「それはその通りだと思うけど。
環は? 環はどうしたいの? 」

「どうって…?」

「うーん、たとえば…
拓郎が帰ってきて、あっちの女性とは別れていたとして…
『やっぱり俺には環しかいない!』
って言われたらどうする?」

「えぇっ!?」

「もしもの話よ。
でも、わからないわよ?
何が起こるか…」

「ありえないわ。
拓郎は、私の事をそんな目で見たことないもの」
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