掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「だから仮によ。
もし、そんな話になったら拓郎を選ぶの?
淳くんはどうするの? 捨てちゃう?」

「な、何言ってるの? 捨てるわけない!
私が好きなのは拓郎じゃない!
淳くんだよ!! ……あ」

「ふふふっ……なーんだ。
答えは出てるんじゃない」

「お姉ちゃん……」

「それ、ちゃんと淳くんに言ってあげなよ」

「……」

「あのね、1つ言えることがあるとしたら、多分淳くんは今、不安になってる」

「え?」

淳之介が不安になる……?

「どういうこと?」

「拓郎が帰ってくる。
それだけできっと不安だよね?
環ははっきり言葉で愛情を示してくれないし、やっぱりまだ拓郎のことを忘れてないんじゃないかって。きっとそう思ってるんじゃない?
何かなかった?」

「何かって?」

「淳くん、いつもと違ったところなかった?」

いつもと違ったところ……?

最後に会ったのは先週の金曜日……。
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