掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「……ごめん。ガッついた」

「淳くん…」

「シャワー……する?」

完全に火をつけておいてそれはない。

「ずるい」

「え? 」

「種火、付けたのに消しちゃうつもり?」

「……フッ…わかった」

ニヤッと笑った淳之介が、来ていたボタンダウンを被り物のように脱いだ。

私も上体を起こし、自分でブラウスを脱ごうとした。
こんなことで淳之介に手間をかけたくないと思ったから…

「だめ」

「え? 」

「俺がやる」

第二ボタンから下を素早く外してていく淳之介。
ブラウスが肩から滑り落ちた瞬間、もう私の唇は塞がれていた。

さっきとは違う、啄むような優しいキス。

ひょっとしたら愛されているのかも、と誤解しそうなほど優しいキスだ。

そう。
私たちは定期的にこんなことをしているけれど、愛し合っているとは言えない。

情と惰性。それと責任感……?
それが全てなのかもしれない。

淳之介は優しい人だから……
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