掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「環、今暇か?」

「え?」

「淳が帰ってくるまで、付き合ってくれないか?」

そう言って、駅前のテリーズを指した。

「う、うん………いいけど」

なんかとんでもない展開になっちゃった。
まさか拓郎が帰ってくるとは…
しかも、まだ淳之介に話が出来ていないこのタイミングで。

でも……

「お腹空いちゃった…」

「え?」

「あ、いや、お昼だなーと思って…」

「サンドイッチ買うか?
ここってあとはケーキか……」

「サンドイッチにする」

少しでも栄養の摂れるものをと思ってしまう。

席に着き、早速サンドイッチを手にする。

「お前……よっぽど腹が減ってたんだな」

拓郎が驚いた目で見ている。
ちょっとがっつきすぎ?

「さ、最近、すっごくお腹が減るの」

「この暑さじゃ食欲をなくしそうなのに」

「……ほっといて」

妊娠のせいなのに〜〜

久しぶりの再会なのに、サンドイッチにかぶりついているイメージしかなさそうだな……

そう思いつつも、やっぱりお腹がとても空いているので食べ続けている。
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