掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「今日、面接を受けてきた」

「え」

「就活?」

「就活………大学院は?」

「マスターは今の大学で取る予定だ。
でも、俺はやっぱりプラネタリウムも諦められなくて…
たまたま菊岡さんが今年引退で、声をかけてくれたんだ…」

「菊岡さんが!? え、じゃあ……」

「来年の春から、未来科学館の学芸員になる」

「拓郎……!! 」

すごい!
小さい時からの拓郎の夢が叶うんだわ!

「お、おめでとう……良かったね…」

「え、ちょ、なんで泣くんだよ…」

「だって、こんなに嬉しいことないじゃない…た、拓郎の夢が叶うんだよ? 」

「あ、ああ……いや、でも頼むから泣くのは……ここ店の中だぞ…」

拓郎が困っている。
でもなんだか感情のコントロールが出来ない。

「環っ!!」

「?」

「淳?」

淳くんだ!

お店の入り口であんなに大きな声で呼ぶなんて、一体どうしたの?

テリーズの奥の席まで血相を変えてやってきた淳之介。何かあったのかしら…
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