掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「環! 大丈夫か? なんで泣いてるんだ?
……おいっ、拓郎っ!
お前、環に何かしたのか!?」

「え、ちが」

「……何もする訳ないだろう?
近況報告していただけだ。
けど、環が突然泣き出して…」

「近況? お前何言ったんだよ!
環にデリカシーのないこと…」

「ちょっと待って!
淳くん、違うから……ね?
落ち着いて? も、もう大丈夫」

びっくりしすぎて涙も引っ込んだわよ。

淳之介は私が拓郎にいじめられているとでも思ったのだろうか。
有り得ないのに……。
こんな淳之介は見た事がない。

「あの……ねぇ、外に出ようか…」


店内ではあまりにも目立ってしまったので、場所を移すことを提案した。

店を出て歩いている淳之介の後ろ姿を見て気づいた。

すごい汗……。

この暑さの中、走ってきたのだろうか。
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