掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
では、このメッセージは何を示している?

不安と期待が入り交じった複雑な感情が込み上げたが、拓郎からのメッセージを思い出し、環のメッセージを閉じた。

《大阪に帰ってる》

《今からマンションに行く》

《駅に着いたぞー
まだ学校終わってないのか?》

「はぁ?」

え? え?

月末に帰るんじゃなかったのか?

……って、この時間!?

環が駅に着いた時間と……全く同じだ!

二人、鉢合わせしてるんじゃ…

俺は先生方への挨拶もそこそこに駆け出した。

あの凍てつく公園で、一人泣いていた環。
もし拓郎と会って、また環が傷ついたら……。

居ても立ってもいられなくて、駅へと急いだ。
自転車を走らせること5分。
多分危ない運転をしていたと思う。

外から駅の高架下を覗いた限り二人ともいない。

自転車を仮止めし、高架下の店舗を覗くと、テリーズに二人の姿を見つけた。

「いた!」

店舗のガラス越しに見えた環は、何かを持っていた。

食べ物?

俺を待つ間に昼飯となったのだろうか…
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