掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「拓郎、良かったね。
1人で孤独に耐えて、ちゃんと結果を出したんだね」

「……ああ、アイツすごいな」

拓郎が帰り、私たちはヤギボーに座りボーッとしていた。

なんだか嵐が過ぎたような気分だった。
何もかもが突然で、自分自身の感情の起伏が激しくて困った。

これから淳之介と話し合わないといけないのに、なんだか疲れ切っている。

「環……?」

「……ん」

「疲れたのか? 」

「……ん」

「大丈夫か? 寝るならベッドで休んだらどうだ?」

「……寝ない…まだお昼…」

そう言いながらも、上瞼と下瞼はくっついたまま離れようとしない。

お話しないといけないのに……。

「環? しょうがないなぁ……」

よいしょ、と淳之介が私を抱き上げる。

寝かしつけようとしてる!
今日は寝たくないのに〜

でも妊娠中の私は眠くて仕方ない。
ベッドに下ろされた時、体がフワッと軽くなるのを感じた。

そして私は眠ってしまったのだ。



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