掴んだその手を離さないで！ 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜

ヤギボーマックスに座り、環の言葉を待つ。

｢……まずは淳くんに聞きたいことがあります｣

｢……なに？｣

｢高校の時のことなの｣

｢高校？ ｣

随分昔の話に戻るんだな……。
拓郎と会ったからか？

｢淳くんに聞いたことがあったの、覚えてる？ 『どうして淳くんは誰とも付き合わないの？ 』って｣

｢……｣

｢そうしたら淳くん『好奇心では付き合えない』って｣

｢覚えてるよ｣

｢うん………その後『好きな人はいるから』って言ったの｣

｢言ったな『ずーっとただ一人だけを想ってる』って｣

｢……それは、美由紀？｣

｢はあ？｣

何故そこでまた美由紀が出てくる？

｢美由紀じゃない……。
俺、美由紀が好きなんて一言でも言ったことあるか？｣

｢い、言ってない……でもずっと…｣

｢実際、違うんだから言うはずがない｣

｢う、うん……｣

ちょっと待て。
これは俺と拓郎の会話を聞いていたんじゃなくて……？