掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「……いつまで? いつまでそう思ってた?」

「……き、昨日」

「はあ!?」

有り得ない!
『ずっと』が昨日まで!?

「お、俺……環が好きだって何度も言った」

「でもそれは……リップサービス? 的な」

「はあ!? なんだよ! リップサービスって……なんで俺がそんな…」

「ね、ねぇ!…………あの時の…」

「あの時?」

「……淳くんの、ずっと好きな人って……誰?」

「へ?」

この話の流れで、そこに戻る?

「環に決まってる」

当たり前だろう?

「…そっか……」

「ちょっと待て! また泣くっ…」

ヤギボーに座って向かい合っている場合じゃない。今日の環は何故こんなに泣くんだ!?

泣き出した環にティッシュを差し出し、また頭を撫でてやる。

「確かに、あの時は名前を言わなかったし、あの時点では環か美由紀か分からなかったとしてもおかしくない。
でも、俺は環に嘘をついたことは1度もない。
環が好きだから好きだと伝えた。
環が可愛いと思うから可愛いって言う。
俺、めちゃくちゃわかりやすいはずだなんだが…」
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