掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「それは環もいい人過ぎないか?」

「違う。私はズルい人なんだよ。
美由紀を好きだと思っていたにも関わらず、淳くんと離れられなかったんだから…」

「……それは…」

それは、何故だ?
離れられなかったのは何故だ?

「淳くん」

「……」

「淳くんはいつも私に優しく手を差し伸べてくれた。
私はそんな優しい淳くんが好きです!
大好き。
誰よりも愛してる!」

「環……!」

「やっと言えたー」

それは予想外の衝撃で……俺の心を直撃した。

さっきまで泣いていたのに、今はにっこり笑っている環が可愛くて、眩しくて、鼓動が治まらない。

俺の1番欲しい言葉だったから。

「まだあります!」

「へ?」

あの、環さん?
ここは……いい雰囲気になるところでは?

「赤ちゃんが、ここにいます」

そう言って環がお腹に手をやった。

…………赤ちゃん?

「……」

「……嬉しくない?」

「ハッ……いや! ち、ちがっ……」

お、驚き過ぎて声が…
< 205 / 278 >

この作品をシェア

pagetop