掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「……驚くよね?
だって淳くんいつもちゃんと……」

困ったように下を向く環。

「た、環!?
ほ、本当に? できたのか?」

「……」

「う、嬉しいよ! ……けど俺……」

避妊に失敗した?
そう言いかけたが、失敗という言葉は使いたくなかった。

「メグちゃんと大西先生の話では、ちゃんと避妊していても100%じゃないんだって」

「な、なんで大西先生?」

「仕事中、倒れたの。
大西先生の目の前で……直ぐにメグちゃんが来てくれて…そこでわかったの。
妊娠してるって」

「……」

「今日の午前中、産婦人科に行ってきた。
6週だって。2ヶ月? になるみたい…」

待ってくれ、待ってくれ!
色々とついていけていないぞ、俺!
まずは……。

「た…環は、いいのか?」

俺にとって1番大事なこと。
それは環の意思だ。

さっき、好きだと言ってくれた。
誰よりも愛してるって。

でもそれと妊娠は別だ。結婚していないのだから、普通で言ったら順序が逆だ。

俺が避妊に失敗して、環を妊娠さた……。
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