掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
そうだった。母も淳之介もカトリック信者だ。
親しくて当然だったわ。

でも、今から妊娠の報告するのよね。
私から『付き合っている』と話は聞いていたとしても、相手がちゃんと挨拶に来ている人かそうじゃない人かで大きく印象が変わるわ。
なんの挨拶もない人に信頼は置けないだろう。

結果的には、淳之介が挨拶をしてくれていて良かったんだわ、この場合。

「淳くんさすがだよねー。
確かにこれからの事を考えると、印象が違うわ」

「印象……そんなの良いわけないだろう?
そもそも順序が違うんだから」

あれ? なんだかナーバスな雰囲気。

「淳くんの気持ちは分からなくもない。
緊張するよね。
でも、私は次女だし、もう結婚も妊娠も免疫があると思うの。
あ、うちの両親の話ね?
それより……淳くんのご両親の方がびっくりされるんじゃない?
は、反対とか……されないかな?」
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