掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「今日はお願いがあって参りました!
環さんと結婚させてください! 」

と言って最敬礼ほどに頭を下げた。

おお! これは聞き間違えようがない。

「へっ??」

「えぇぇーーーっ!?
淳兄、環と付き合ってたの!? 聞いてない!」

「宣…」

もう〜!
一生に一度のご挨拶なのに〜〜!

『お母さん、宣を何とかしてよ』

と母に視線を送ってみるけど、母は笑って見ている。

「け、け、け、」

ああ、お父さんったらまた「け」ばかり言ってるわ。

「淳くん、頭を上げていいわよ?」

「あ、は、はい! すみませんっ」

「お父さん? 私、淳くんと結婚したいの。
いいかな?」

「結婚って……一体いつからつきあってたんだ? 聞いてない…」

「大学の時からよ」

母がすかさず答える。
その答えから、母は完全に淳之介の側に立っていることが見て取れた。
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