掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「で、でもっ!
一体どこで投影するって言うのよ。
ここにはドームなんて…」

「あるだろ?
こじんまりとはしてるが、立派なドームが」

「え?」

プラネタリウムを投影出来るようなドーム? どこの教室よ…?

「あーうん…
環、教室じゃないんだ」

「え?…………まさか!」

「うん。小聖堂だよ」

「小聖堂!? 」

聖堂館学園の横には、大きくてとても立派な大聖堂が建っている。
小聖堂はそのちょうど間の学校敷地内に建っている、いわゆるチャペルだ。

独立して建っていて、天井はドーム型になっている。

「ちょっ……そんなところ、借りれる
の? あそこはシスター達が……」

「うん。それも確認済。
小堀シスターが乗り気でさ。
協力してくれるって」

「……」

カトリック信者の淳之介が確認に行ったんだ。じゃあOKに決まってるじゃない。

……完全に外堀は埋められてるんだわ。

「というわけで、大変優秀な副会長が、全て手配済というわけだ。
環、問題ないよな?」

淳之介の全面協力で、しかもシスターを巻き込んで。
反対しても結果は変わらないじゃない!

それなのに、目をキラキラして私のジャッジを待っている。

はぁ…。
弱いのよ。あの目には。
全く、いい顔してるわ!

「……わかったわよ」

こうして、前代未聞の小聖堂プラネタリウムが実現されようとしていた。



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