掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「じ、実は俺、副収入がある」

「……」

「いや、副収入というか、収入の割合で言うと、そっちの方が遥かに多い」

「どういうこと?」

「……」

「何をメインの収入にしているの?」

「う……」

「はっきり言って!」

「実は……小説を書いてる…」

「へ?」

「高校の時、文芸コンテストに出してみたら……大賞を取ってしまった」

「えぇっ?」

「その後も、運良く執筆の仕事が入ってきて……それを今も続けている」

「な……なんで言わないの!?
高校の時って……言ってくれたらお祝い出来たのに!」

「いや……は、恥ずかしくて…」

それに、賞を取った作品を読まれたくなかったんだよ!

環は本好きだ。
言えば読んでくれるのもわかっていた。
けど、内容が内容だ……言えるわけない。
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