掴んだその手を離さないで! 〜優しすぎる幼馴染の絶対愛〜
「ところで『じゅん』はわかるけど、どうして桜田なの?」

げっ! そこを突くか?

「……『あ・さくら』と『くら・た』を掛けたんだ…」

「……ブッ…」

「笑ったなー?」

「だ、だって……まさか私の名前を掛けてたなんて……淳くん、本当に私のこと好きだったんだね〜」

環が涙を流しながら笑っている。
最近、ホルモンバランスのせいでよく泣いていたけど、笑い泣きならいいか。
お腹の子にも良さそうだ。

「環」

「……え」

お腹の子の負担にならないよう、そっと抱きしめる。

「笑い飛ばしてくれてありがとう」

「え、ち、ちがっ…
ごめんね? 私そんなつもりじゃ…ただ嬉しくて」

「わかってる。でも俺もカミングアウトは勇気が必要だったし、環が思いっきり笑ってくれたから、言って良かったと思ってる」

「淳くん…」

「収入は、多分驚くくらいあるから大丈夫。あのタワマンに決めるよ」

「……うん」

「ずっと、俺の傍で今みたいに笑ってて。環が笑ってたら、俺頑張れるから。無限にパワーが湧いてくる気がする」

「淳くん…」

「愛してる」

「ふふふ、うん! 私も愛してる!」

そして俺たちはとびきりのキスをした。






【完】
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